モノクロアトムが面白すぎる

懲りずにモノクロアトムを見ています。
その流れで以前買った講談社愛蔵版の鉄腕アトムを引っ張り出してきて
読んだりしているのですが、原作とアニメを改めて比較すると…
いやーかなりの職人技が詰まっていますわ。
今回はたまたま「ブラックルックスの巻」の原作を読んだ直後に、
モノクロアニメ版を見たので、それを例にして書きます。

ブラックルックスの巻」のあらすじについてはまあ、リンク先を見てください。
それで原作では南極に行くのは、アトムとアトムの両親そしてヒゲオヤジの4人なんだけど、
アニメ版だと、アトムとヒゲオヤジの2人だけになるんですよね。
実際アトムの両親はほとんど活躍しないので、
そこをバッサリと削ってしまっているわけです。
またブラックルックスの本拠地が、原作では南アフリカにあるんですが、
これも南極にある、という風に改定されてます。
南アフリカは、本作の元ネタがアパルトヘイトだからなんですけど、
話としてみた場合、特に南アフリカに行く必要は無いんですよね。
そういう感じで、無駄だと思われるところを原作から削って、
アニメ版にしているわけです。

もちろん必ずしも無駄ってわけじゃ無いんですよ。
そういう無駄な描写が原作の厚みになっている部分は
間違いなくあるんだけど、ただ原作は先がどうなるのか
わからない状態で描かれているし、読者をハラハラさせるための
ミスリードみたいなのも結構あるんですよね。
しかしそれを全部アニメにいれていては、とても30分じゃ足りないので、
全体を見通して、本当に必要な部分だけ取捨選択しているわけです。

ただ削るだけじゃないのが、モノクロアトムのすごい所。
不要な部分を削ったうえで、更に「アニメならでは」のシーンを足しているのです。
これが「アニメならでは」のシーンで、以前も書いたけど、
カートゥーン的なギャグシーンだったり、あるいはアクションシーンだったりと、
「アニメーション」として面白い作品になるように仕上げてきているのですよ。
だから「話をまとめて、削って、そこに足す」という事をしているんですよね。

それでいて「ブラックルックス」の話の肝である
「世の中にただひとついこいの場所があるとすれば…」は
しっかり残しているし、そこに全てが集約するような作りになっている。
これ脚本がすごくいい仕事してますよ。
話の肝となる部分を残しているから、他を多少アレンジしても、
しっかり成立しているんですよね。

いやーモノクロアトム、最初は2~3回くらい見るだけにしようかな、
と思ってたけど、こうなると俄然興味出てきました。
全部見たいけど、でもそれには3年以上かかるんだよなあ。