星の伝説アガルタ
石ノ森章太郎が描いた「星の伝説アガルタ」を読んでました。
秋田から出てきた漫画家志望のシュンと、彼に惹かれたレミの間に起こる、不思議な事件を描いた作品です。
…いやまあこれ知らない人が多いと思いますし、自分も最近まで知りませんでした。
それをなんで読んでいたか、というと…。
石ノ森章太郎といえば、その代表作に「サイボーグ009」があります。
そしてその最終編として執筆された「天使編」「神々との戦い編」は結局未完に終わっています(作者亡き後、その構想ノートを使って完結編が描かれていますが、それは一旦置いておきます)。
この2編の大まかなプロットとしては「人類はかつて銀河の果てからやってきた宇宙人によって作られた存在で、人類はそんな彼らを【神】として崇めている」という、まさに壮大なスケールのSFなんですが、これがスケールを大きくしすぎた結果、未完となってしまったんですよね。
それでこの「星の伝説アガルタ」の話に戻りますが、実はこれにも人間を作り上げ神となった宇宙人が出てくるんですよね。
つまりどうやら、「天使編」の構想を使いまわしたんじゃないか?という事。
恐らくもっといいアイデアにするために、古いアイデアはどんどん使っていったんじゃないでしょうか。
石ノ森先生の悪いクセとして、話のスケールが大きくなるとまとめきれなくなって、途中で投げ出しちゃう所があります。
でも本作は手頃なところでまとまっていて、ラストもしっかりと描かれていて、割といい感じでした。
丁度よい読みやすさでしたね。