モノクロアトムが面白い

現在テレビ埼玉でモノクロの「鉄腕アトム」を再放送しているので見てるんですが、
これが結構面白いです。

モノクロのアトムといえば、ご存知の通り「国産テレビアニメ第一号」です。
当時は毎週アニメを作る、なんて前例が全く無いわけですから、
とにかく作り手の試行錯誤が透けて見えて、
そこが結構興味深いし面白いですわ。

良く言われるのはシナリオの不足について。
毎週毎週1本アニメを作るわけだから、アトムに膨大なマンガの
ストックがあったとしても、すぐに無くなってしまうわけです。
その辺はまだまだ先の話なのですが、
それにしても例えば短編だった「ゲルニカ」と長編だった「アトム大使」が
どっちも30分になっている、ってのはかなり無茶な話なんですよ。
でもそこをどうにかしようとしているのが、面白いです。
短編の「ゲルニカ」はとにかくエピソードを膨らませてるのがわかりますし、
「アトム大使」は原作を大幅カットしつつ、それでも話がわかる
ギリギリの所を狙ってるのが、かなりスゴイですね。
それでも前半パートにアトムが登場しない、というのが
オリジナルの長編ぶりを物語っております。
もちろん動きとか演出はまだまだ稚拙なところがあるんだけど、
シナリオがかなり頑張っているのが伝わります。

また古典カートゥーンを意識したような
ギャグシーンが頻繁に入るのも、カートゥーン者としては楽しみなところ。
考えてみれば当たり前の話で、他に参考にするものが無かったんだから、
古典カートゥーンっぽくなってしまうんだけど、
そこが逆に微笑ましい。

どうも自分って、こういうモノクロアニメの方が
結構入りやすいのかもしれませんな。