宇宙人東京に現わる


昔の特撮本とかには大体タイトルとかスチール写真とかが掲載されていて、
それでなんとなーくの知識はあったのですが、なかなか見る機会はありませんでした。
しかし今回YouTubeで無料公開されてたので視聴しました。

世界中で謎の飛行物体が目撃され、国際会議や科学者はその正体を巡って盛んに議論をしていた。そんな折、日本各地にヒトデ形の宇宙人が出現した。彼ら「パイラ人」は、地球の原水爆開発に警告を発するために来訪した善良な種族であり、日本に現れたのも「世界唯一の核攻撃による被害国なら、話を聞き入れてもらえるだろう」と判断したからだった。しかし地球人はパイラ人の姿を見ると恐れて逃げてしまい、意思を伝えることができない。

パイラ人らは逆に、地球人を容姿の醜い生物だと感じているが、友好のために地球人に変身しての接触を試みる。まず、帝国劇場のトップスターである美女・青空ひかりの姿を選び、記憶喪失の美女・天野銀子として湖へ投下。松田博士を始めとする科学者たちに発見・救出させ、接触するように仕向ける。天野銀子は、松田博士が原水爆以上の破壊力をもつ元素「ウリウム101」を研究していることを知り、その危険性と理論研究の停止を訴え、友好を示す証しとして新天体Rの地球接近を伝える。日本の科学者たちは世界に核兵器の提供を求めるが相手にされず、さらに松田博士はウリウム101の情報を狙う兵器産業スパイに拉致監禁されてしまう。そしてついにRの接近が確認され、その影響で地球上には天変地異が起こり始める。大地を襲う地震や津波に人類は為す術もない。監禁された松田博士も危機に陥るが、そこにパイラ人が救出に現れた。

ようやく危機感を持った超大国は核ミサイルを次々と新天体 Rへ撃ち込むが、全く効果は無かった。ミサイルは全弾撃ち尽くされ、もはやこれまでかと思われた時、パイラ人は松田博士から聞き出した方程式を元にウリウム101の爆弾を新天体 Rに向け発射。新天体Rは爆発四散し、地球は救われた。こうして、人類は核兵器が完全廃絶された世界で新たな生活を始めるのだった。

(Wikipediaから)

今作に登場する「パイラ人」(デザインは岡本太郎!)は、
ヒトデのような体と巨大な一つ目でインパクトは抜群。
それで昔の本とかには、巨大なパイラ人が東京の街にいる、
みたいな写真が掲載されていたんですが、
そんなシーンは全くありません(苦笑)。

なにしろ昭和31年の作品なのでストーリーとか映像はさすがに古臭くて、
今だとちょっと笑ってしまう所もあるのですが、
それでもRの接近を前に避難する人たちのシーンは、
戦時中の疎開や空襲からの避難をイメージさせてかなり迫力ありました。
この辺はやっぱりリアルタイムでの体験が大きかったんだろうなあ。

今作で一番スゴイと思ったのは、その「色」の使い方。
何しろまだ当時カラー映画なんてほとんど無かった時代ですし、
「色彩指導」に先述の岡本太郎が関わっているだけあって、
その抜群の色彩センスに目を奪われます。

例えば地球人に変身したパイラ人は最初中禅寺湖に浮かんでいるんですけど、
その際に着ている服が「赤」で、
湖面の青との対比になっているのですよね。
フィルムの問題もあるんだろうけどその赤がまたとても鮮やかな赤で、
間違いなく印象に残ります。
ちなみに他のシーンでも水の上に赤い鞠が一つだけ浮かんでいるシーンがあったので、
これは間違いなく狙ってやったんでしょうね。

そして天体Rが地球に近づくにつれてどんどんと画面が赤くなっていくのは、
当時カラー映画をほとんど見た事が無かった人たちにとっては、
かなりのインパクトを残したと思います。

他にも様々なシーンで「赤」や「青」などの色が効果的に使われているので、
とにかく今作を見るときは「色」に着目してほしいと思います。

特撮

Posted by ルゥ